型は金属製品をつくるときに使用
鋳造という加工方法で、鋳物(いもの)と呼ばれる金属製品をつくるときに使用される型のことを、「鋳造用模型」と言います。福岡木型工作所では、さまざまな材料で模型をつくりますが、その模型の種類の一つが「鋳造用木型」です。
木型には、無垢の木のほか、樹脂を用いた合成木材などの特殊材料でつくったものなどがあります。木型のメリットは金型などと比べて材料費が安く、細かな加工がしやすくて丈夫なこと。微妙な修正点がある場合でも、他の型に比べると迅速に対応できるのです。
そもそも型って、どんなときに使われるものなのか? 実は身近なところにも、型はたくさんあって、既に鋳造に似た体験をされている方も多いです。
例えば、女性の方なら、バレンタインデーのチョコレート。ハート形チョコを手作りする場合は、ハートの型が必要ですよね。型に溶かしたチョコレートを流し込み、チョコが固まったら出来上がりです。
ハート形チョコの場合、材料はチョコレートです。同じような工程で、チョコではなく、金属を材料にして出来上がったものが、鋳物になります。鉄やアルミなどの金属を熱で溶かしてハートの型に入れ、冷まして固まったハート形の金属が鋳物というわけです。
鋳物を造る工程が鋳造です。鋳造には、さまざまな方法があります。中でも、形状表現の自由度が高い加工方法が、砂を用いてつくる「砂型鋳造」です。
例えば、野球の硬式球の鉄製オブジェを100個つくります。鉄を1個1個削って、つくるのは時間もコストもかかって大変。だから、まず硬式球の木型をつくり、砂型鋳造で量産します。
福岡木型工作所には「NCマシニングセンタ」という高性能マシンがあるので、素早く、精密な形状に削って、硬式球の木型をつくることができます。
できた木型は、特殊な鋳造用の砂の入った箱に入れます。砂はカチカチに固まって、木型を取り外すと硬式球の形状が写し取られた空洞ができます。これが砂型です。砂型に高温で溶かした鉄を流し込み、鉄が固まったら砂型を壊します。中から鉄製の硬式球のオブジェを取り出して、砂をきれいに取り除いたら完成です。
砂型鋳造で、ロボット、自動車、バイク、建設機械、発電所、船舶、ポンプ、農機具などの、さまざまな部品の鋳物ができます。道路に設置されているマンホールや鯛焼き、回転(今川)焼きの焼器も鋳物です。
これらの鋳物を造るための木型を、福岡木型工作所ではつくっています。実は、日本全国にあるマンホールの多くは、当社の木型から製造されたものなんですよ。
「ロボット部品の型がつくりたい」「こんな型はつくれるか?」など、さまざまなご要望にお応えしますので、鋳物を製造されたい方は一度、福岡木型工作所までご相談下さい。お問い合わせフォーム、電話でも連絡をお待ちしております。